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2017年12月5日火曜日

トヨタ「生きるか死ぬか」破壊的変化迫る

「破壊的変化」がトヨタ自動車に迫っている。愛知県で初めての量産車工場を稼働し、祖業の織機から車に転換して80年。電動化や自動運転、シェアリングの荒波が押し寄せ、米グーグルなど異業種が新市場の主導権を狙う。世界生産1000万台の巨人、トヨタでも「生きるか死ぬか」の瀬戸際を迎えている。

■「生きるか死ぬか」の瀬戸際

 11月20日、同県豊田市のトヨタ本社会議室の空気が張り詰めた。豊田章男社長が「未来は誰にも分からない。ぬるま湯ではなく、意志による決断と痛みも伴う行動が必要」と発言したからだ。

 メッセージは相対する労組の西野勝義執行委員長らでなく、同席する経営幹部約90人に向けられていた。例年4月の役員人事を来年は1月に前倒しする考えも示唆。「役割を勘違いし、お客様をみなければすぐに舞台から退いてもらう」。6万8000人を抱える労組を前にした発言は重く、役員に覚悟を迫った。

 8日後に発表した人事は中身も異例だった。米国の人工知能(AI)の第一人者、三井住友銀行の法人金融のプロ、豊田通商のアフリカのエース……。外の人材を抜てきし40~70代の幅広い世代が経営を担う。「生きるか死ぬかの瀬戸際」(豊田社長)との認識から自分に近い人材の登用と批判されることも覚悟し、体制一新に踏み切った。

■英の町を教訓に
この危機感には原点がある。
 「オールダムにしてはいけない」。創業者の豊田喜一郎氏をはじめ、歴代トップの脳裏には英国の町がある。
 この町は19世紀、世界の紡績産業の中心地でピーク時の綿織物の生産は独仏の合計を超えるほどだった。喜一郎氏は1922年に世界大手の英織機メーカー、プラットの研修で同町に滞在した。

 だが29年に再訪すると、雰囲気は一変。レーヨンなど低コストの化学繊維の台頭や不況でオールダムは失業率3割の町になっていた。「世界一の企業がわずか数年で衰退する光景を目の当たりにした。それが事業を大転換する原動力になった」。同氏の研究の第一人者の和田一夫・東大名誉教授はこう分析する。

 使い勝手や効率を徹底的に追求する「カイゼン」を重ね、トヨタは世界首位を競う存在に成長した。2016年の世界販売は1017万台と4年連続で大台を超えた。ただこの間に中国がけん引して世界市場は9.6%伸びたが、同社は横ばい。さらに電動化や自動運転、シェアリングという荒波が次々に押し寄せる。

 「30年までの経営への影響を分析してください」。今春から調達担当者が一部メーカーに渡すようになった1枚の「未来予想図」。30年にエンジンのみの車は全体の45%と、15年の「ほぼ半減」という試算を示す。代わりに電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)が計15%、プラグインを含むハイブリッド車(HV)が40%に増える。
 08年秋のリーマン・ショック後、トヨタは販売減で最終損益が1兆5千億円近く悪化した。第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「国内の乗用車生産が10%減れば実質国内総生産で4兆円、雇用で4万人強が消える」と分析。トヨタが揺らげば、日本経済も打撃を受ける。

■異例の数値目標
 「今まで言ったことはありませんが、台数を売っていただきたい」。5月、ラスベガスで開いた全米1500店の代表者が集まる販売店大会。数値目標を口にしない豊田社長が異例の発言をした。世界販売の4分の1を占める米国での発言には「競争相手もルールも変わる。20年先を見据え、攻めの種まきが必要」(トヨタ役員)と、原資を稼ぐ必要がある。
 豊田社長が最近口にする競合相手はグーグルやアップルなど異業種の巨人だ。「コンピューターの進化は車と違う。指数関数的な速度で創造的な破壊をする」。副社長級のフェローに就くAIの第一人者、ギル・プラット氏は警鐘を鳴らす。

 豊田章男社長もオールダムの工場跡地を08年に自ら訪れて「愛知県や進出地を同じようにしてはいけない」と漏らした。車産業が100年に1度の変革期を迎え、前例なき難路を乗り越えられるのか。未来へ向けて走り続けるトヨタを追う。
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( ゚д゚)ハッ! なんと豊田章男社長が、危機感バリバリじゃないですか.....
確かに、電気自動車はガソリン車に比べて部品点数は少ないし、新規参入もチャンスが
多いので今、中国の新興メーカーがいっぱい出てきているのをTVでみた事があります。
それと、若者の車離れにも危機感を持っているのではと思います。
地方ならまだまだ車がないと不便ですが、都心部なら車がかえって不便かも(´エ`;)

オールダムは、初めて知りました(´エ`;)
そうですね。これは革命に近い状況ですね......数年で衰退するって(´・ω・`)
今は、インターネットの時代だからより物事のスピードは、その当時と比べたら倍以上に早いかもしれません(・∀・;)いや、もっとかな。

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