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2015年8月22日土曜日

天津爆発、広がる健康不安 当局の情報が二転三転



天津爆発、広がる健康不安 当局の情報が二転三転

【北京=阿部哲也】中国・天津市で起きた大規模爆発事故に伴う健康被害への不安が広がっている。20日には天津港につながる河川で大量の魚の死骸が見つか り「有毒な化学物質が拡散している」と地元住民らは懸念を募らせる。当局は「安全だ」と強調するが、官製メディアの情報が二転三転するなど不信感は増幅す る一方だ。企業の工場や店舗の早期再開にも支障が出る可能性がある。

辺り一帯が浮いた魚の腹で真っ白になった――。20日午後、多くの天津市民がミニブログなどを通じて独自情報を発信した。写真に映し出されたのは大量の魚 の死骸だ。場所は天津港につながる海河という大きな河川で、事故現場から6キロメートルしか離れていない。「何かが漏れ出している」。市民の不安が広がっ た。
 21日の新華社電によると爆発による死者は116人、行方不明者は60人となった。事故発生から10日たつが、原因や被害の全容はいまも判明していな い。地元住民らの間で強まっているのが二次災害への懸念だ。爆心地には直径100メートルの穴が開き、有毒な化学物質を含む5万トンに及ぶ汚染水がたまっ ている。地下水や大気を通じた汚染拡大を懸念する声は多い。

 「魚の死骸が発見された水域でシアン化合物は検出されなかった。高温による河川の酸素欠乏が原因だ」。国営中央テレビ(CCTV)は市民の不安を打ち消すように、21日昼のニュースでこう報じた。当局の正式な調査結果だという。だが信じる人は少ない。
 不信が強まるきっかけとなったのが、同じCCTVが流した「神経ガス」報道だ。消防当局幹部の話として「事故現場の空気中から毒性の強い神経ガスが検出 された」と伝えた。しかし天津市当局が19日の記者会見で「有毒ガスは検出されなかった」と否定すると、CCTVもホームページ上の記事を削除した。
 「国営メディアは当局と一体なのに、なぜこうも情報が入り乱れるんだ」。地元住民らは信頼できる情報が足りないと不満を隠さない。18、19日には現地 で雨が降り、市民の間で「雨に当たった部分の肌が焼けるような感じがする」といった報告が相次いだことも不安を増幅させている。
 当局は「水や空気中の有害物質濃度は国が定める基準値内であり、心配しないでほしい」(天津市環境保護局の温武瑞局長)と火消しに努めるが、風評は収ま りそうにない。「のどが痛い」。天津駐在の日本企業の集まりである天津日本人会の加盟各社には、従業員からのこうした報告が相次いでいるという。

 企業も対応に苦慮している。トヨタ自動車は22日まで工場の操業停止を延長することを決めたが「従業員の不安が大きく、いつ再開できるか判断に困っている」(関係者)。24日以降については情報を精査中という。
影響は思わぬところにも飛び火する。「金銀より緑を」「天津みたいになりたくない」――。中国メディアによると、浙江省嘉興市で13日、地元政府が建設を 計画していた化学工場に反対する抗議デモが起きた。計画は撤回されたといい、同様の動きが各地に広がる可能性が出てきた。
「世論工作を強化するように」。中国共産党の習近平総書記(国家主席)は20日、最高意思決定機関である政治局常務委員会を開き、こう指示したという。9月3日に軍事パレードという重要行事を控えた習指導部にとっても、事故対策は頭の痛い問題になっている。
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情報がもみ消されているかもしれませんが、デモで計画を中止するという事は
今までの中国では無かったような(^_^;)
安心というテーマが今後の中国に必要になりそうです。
経済発展に注力するあまり、今まで黙殺されて部分だしなぁ.....
まだまだ膿だしがありそうな気がします┐('〜`;)┌ 

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