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2014年5月31日土曜日

習主席のスローガン「中国の夢」が生む摩擦

 周囲を威嚇し、怒鳴り散らす。その姿を周辺国の大半が恐れ、うんざりしていることだろう。最近の中国だ。なぜここまで高圧的で、強硬なのか。それをひもとく鍵の1つが、習近平国家主席が掲げるスローガン「中国の夢」にあった。
強い調子でベトナム批判
 「荒唐無稽で笑える。この国が歴史をゆがめ、事実を否定し、信義に背くことが改めて証明された」。中国外務省が26日開いた定例記者会見。担当者は強い調子で言い放った。やり玉に挙げたのはベトナムだ。
  越外務省が23日、中国と領有権を争う南シナ海の西沙(パラセル)諸島について「自国領である歴史的、法的根拠がある」と表明したことに反論した。担当者 は「大量の歴史資料が中国固有の領土であることを証明している。西沙諸島は中国人が最も早く見つけ、命名し、開発・経営を始めた」と声高に主張。そしてこ う結論づけた。「今回の表明で改めて分かった。ベトナムという国は国際的に信用度がかなり低い」

 外交担当者としてはかなりきつい言い回しだ。そもそも南シナ海を巡る中越の対立は、中国側が西沙諸島付近で石油掘削を強行したことに端を発した。 その後、ベトナムで大規模な反中デモが発生したり、中国漁船の体当たりでベトナム漁船が沈没したりするという緊迫した事態に発展している。
 にらみ合いは当分続くと考えていい。中国海事局が5月7日に公開した掘削作業通達にこう明記してあるからだ。「作業期間は5月4日から8月15日までとする」。中国はメンツを何より重んじる。「いかにベトナムが反発しようと途中で折れることはあり得ない」(中国外交筋)

 中国が直面しているのは「外患」だけではない。「内憂」も深まっている。
 内陸部の新疆ウイグル自治区。22日に区都ウルムチ市で 130人超が死傷する過去最大級の「爆破テロ」事件が発生した。4月30日にはウルムチ駅前で約80人が死傷する爆破事件があったばかりだ。雄大な自然や シルクロードの遺跡に恵まれた砂漠のオアシスが、民族対立の「火薬庫」と化している。
 根底にあるのは、ウイグル族など少数民族への強硬路 線だ。経済融和を進める一方、中国語教育を押しつけたり、宗教活動を制限したりする。習指導部は「15年6月まで」と期限を区切り、超法規的な取り締まり も辞さない「対テロ戦争」を宣言したが、圧力を受ける少数民族の恨みは深い。「対テロ戦争は1年間では終わらない」との見方が一般的だ。

 周囲との摩擦も辞さず、領土的な野心や覇権の拡大へと突き進む中国。そんな強硬路線が加速したのは「中国の夢」をスローガンに掲げる習近平氏が昨年3月 に国家主席に就いてからだ。中国の指導部にとってスローガンは、いわば政権公約と言ってもいいほどの重要政策。しかし、この「中国の夢」が何なのか非常に 分かりづらい。

「屈辱の歴史」からの脱却狙う
習指導部は「中国の夢」を「中華民族の偉大な復興」を目指すものと意義付ける。具体的に何を指し示しているのか。その思想の原点がうかがい知れるものがある。
 北京・天安門前にそびえる中国国家博物館。いま最も人気があるのが、特設コーナー「復興の路(みち)」展だ。習氏の就任とあわせ、大々的に開設された。
  「1840年のアヘン戦争以来、我が国は半植民地状態に陥り、中国人民は屈辱と苦難の闘争の歴史を歩むことになりました」。展示は清朝末期、欧米列強によ る侵略戦争の歴史から始まる。それまで世界的な大帝国として長く君臨していた中国が、いかに列強から「言いがかり」を付けられ、領土をむしり取られていっ たか、延々と説明が続く。
 そして後半は「反転攻勢」の歴史だ。主要テーマは欧米に続き中国を侵食した日本に対する「抗日戦争」と、その中 で台頭した共産党の躍進の様子を示す。人民解放軍の勇ましい活躍を伝え、1990年代以降の高度成長期の発展の歴史へとつながる。まとめはこうだ。「偉大 な復興の風景はすでに中華民族の目前に広がっています。子どもたちの夢は必ず実現するはずです」
 「中国の夢」――。それは日米欧列強に侵 略される以前の姿、つまり有史以来、周辺国に影響力を行使してきた大帝国時代の栄光の復活に他ならない。そのためには「奪われた領土」は取り戻し、「分離 独立勢力」は徹底してたたかなければならない。「遅れてきた帝国主義」ともいえるのが「中国の夢」の正体といっていい。
 だが周囲との摩擦 を辞さない「中国の夢」は代償も大きい。2014年の国防予算は8082億元(約13兆円)。すでに日本の3倍近い規模だ。さらに国内の治安維持などに使 う公共安全予算は国防費を上回っているとされる。格差の是正や環境対策など課題は山積みなのに、国防や治安に多額の予算を割かなければ体制を維持できない ほどになっている。それがいまの中国の現実だ。
 もともと列強の帝国主義を否定して誕生したはずの共産党。しかし実体はかなり違った様相を 呈してきている。国家博物館の出口に置かれた感想帳には、河北省から来たという6歳の男の子がこう書き込みをしていた。「中国が強くなるために、僕は何で もやります。中国を愛しています」。国を挙げたプロパガンダを受け、市民の間でも「中国の夢」が再生産されていく。中国はこれからどこへ向かうのだろう か。
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日経新聞に出てたので気になったのでここに残しておきます。
(-公- ;)ウーン  「中国の夢」を実現するには戦争は避けられない感じがします。
領土権の問題ですのでね(;´ρ`) グッタリ 
自国の利益に邁進する有様はどうかと思いますが.....┐('〜`;)┌
お互い協力して開発すれば、どちらも利益を得られるやり方は、考えにはないんだろうか?
ちょこっと、中国の国防費でググってみると過去20年間、ほぼ途切れることなく2桁で伸びているようです。
年間にそれほどの国防費が続くわけはないかと思っていましたが、どうやら反対でした。
(´・ェ・`)アボーン
けんか腰で世界に挑んでいる理由の1つには、軍事力の後ろ盾は大きいと思われます。
しかし、本当に戦争を始める気があるんだろうか?(;´д`)トホホ…
もし、始まれば相場は終わりかも......(´・ω・`)ショボーン 

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